2025年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』。
主人公・松野トキの夫であるハーン(ヘブン)の、ミステリアスな白い左目に多くの視聴者が引きつけられています。
「なぜ彼の左目は白いの?」「何か特別な意味があるの?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事を読めば、その謎はすべて解けます。
この記事で分かること
- ハーンの左目が白い「本当の理由」
- モデル・小泉八雲を襲った衝撃的な事故の真相
- 俳優トミー・バストウの「執念」の役作り
- ハーン役の俳優はどんな人?
『ばけばけ』ハーン役ヘブンの左目が白いのはなぜ?

ハーン役ヘブンの目が白いのは「史実の再現」と「俳優の強い希望」
『ばけばけ』のハーン(ヘブン)役の左目が白いのは、モデルとなった小泉八雲が実際に左目を失明していた史実を、俳優自身の強い希望で忠実に再現しているためです。
これは単なる演出ではありません。そこには、壮絶な過去の事実と、役と向き合う俳優の並々ならぬ覚悟が隠されていました。
この記事では、その失明の原因となった衝撃的な事故の真相から、俳優トミー・バストウの「執念」ともいえる役作りの裏側まで、すべてを分かりやすく解説します。
史実:モデル・小泉八雲はなぜ失明したのか?
ハーンのモデルである小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、なぜ左目の光を失ってしまったのでしょうか。その原因は、彼が16歳の時に遡ります。
16歳の悲劇…「危険な遊具」が奪った左目の光
アイルランドで生まれた八雲は、少年時代をイギリスの寄宿学校で過ごしていました。活発な少年だった彼を、ある日、悲劇が襲います。
事故が起きたのは、校庭に設置されていた「ジャイアンツ・ストライド」という遊具で遊んでいた時でした。
「ジャイアンツ・ストライド」とは?

中央に高い柱が立っており、その先端から放射状に何本もの長いロープがぶら下がっている回転式の遊具です。
子供たちはロープの先端にある結び目や取っ手を握り、柱の周りを走りながら遠心力を利用して空中を飛び回るように遊びます。
現代の安全基準では考えられない、当時人気があった一方で非常に危険な遊具でした。
友人とこの遊具で遊んでいた八雲は、勢いよく飛んできた別のロープの硬い結び目が、自身の左目を直撃するという不慮の事故に見舞われます。この事故により、彼の左目は視力を完全に失ってしまいました。
失明が遺した深いコンプレックス
この事故の後遺症で、八雲の左目は外傷性白内障を患い、瞳が白く濁って見えました。
多感な少年期に片目の光と見た目の変化という二重の苦しみを背負った八雲は、生涯この左目に対して強いコンプレックスを抱いていたと言われています。
実際に、現存する彼の写真の多くは、右側から撮影されたものや、左側を意図的に隠すようなポーズを取っているものがほとんどです。
この事実は、彼がいかに深く傷つき、気にしていたかを物語っています。
役作り:トミー・バストウの「執念」が実現させた白い目
史実では失明していても、ドラマの演出上、あえてその設定をなくすという選択肢もありました。しかし、『ばけばけ』では史実を忠実に再現する道を選びます。
その裏には、ハーン役を演じる俳優トミー・バストウの強い意志がありました。
「本格的に取り組みたい」俳優本人の希望だった!執念の役作り
制作陣は当初、俳優への負担を考慮し、失明していない設定も検討していたかもしれません。
しかし、ハーン役に抜擢されたイギリス出身の俳優トミー・バストウさん自身が、「小泉八雲という人物を本格的に演じる上で、失明は不可欠な要素だ」と、史実通りの設定を強く希望したのです。
この申し出は、彼がこの役、そして小泉八雲という人物にいかに真摯に向き合っているかを示すエピソードと言えるでしょう。
特注コンタクトレンズで「八雲の目」を再現
トミー・バストウさんの本来の瞳は、澄んだ美しい青色です。役作りのために、彼は自身の瞳を完全に覆う、特注の白いコンタクトレンズを装着して撮影に臨んでいます。
このコンタクトレンズは、リアルな質感を追求する一方で、当然ながら装着すると視界が著しく悪くなります。
関係者によると、当初は慣れない装着に苦労し、演技中の距離感や安全確保にも細心の注意が必要だったそうです。
それでも彼は、「見えにくい」状態も含めて八雲の体験だと捉え、演技に支障が出ない最適なレンズを求め、何度も試作品を作り直したと言います。
まさに「執念」ともいえる彼のプロ意識の高さが、ドラマに深いリアリティと説得力を与えているのです。
ハーン役の俳優トミー・バストウはどんな人?
この役作りのエピソードを知り、ハーン役のトミー・バストウさん自身に興味を持った方も多いのではないでしょうか。
『SHOGUN 将軍』でも活躍した実力派

トミー・バストウさんは、イギリス出身の実力派俳優です。
日本でも、2024年に世界中で大ヒットしたドラマ『SHOGUN 将軍』で、通辞(通訳)のマルティン・アルヴィト神父役を好演したことで、その名を知られるようになりました。
『SHOGUN 将軍』では、流暢な日本語のセリフと繊細な演技で、物語の重要な役割を担い、高い評価を得ました。
今回『ばけばけ』のハーン役に抜擢されたのも、その確かな演技力と、異文化を深く理解しようとする真摯な姿勢が認められたからでしょう。
▶︎「ばけばけ」ハーン役は誰?「将軍」で宣教師役のトミー・バストウの経歴や魅力
【もっと知りたい】『ばけばけ』と小泉八雲Q&A
さらにドラマを楽しむために、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式で解説します。
- Q八雲の白い目は、医学的にはどのような状態だったのですか?
- A
外傷性白内障だと考えられています。強い衝撃で目の中の水晶体が傷つき、それが白く濁ってしまう状態です。現代では手術で治療できる場合もありますが、当時は有効な治療法がなく、失明に至ることがほとんどでした。
- Q左目の失明は、小泉八雲の人生や作品にどう影響しましたか?
- A
失明は彼に深いコンプレックスを与えましたが、一方で彼の内面的な世界を豊かにしたとも言われています。残された右目を酷使したことで、彼の視覚は非常に繊細になったとされます。
また、外見へのコンプレックスから、人の内面や物事の本質、そして目には見えない怪談や伝承の世界へと深く傾倒していくきっかけになった、という研究者もいます。
彼の代表作『怪談』が生まれた背景には、この失明体験が大きく影響しているのかもしれません。
- Qドラマのタイトル『ばけばけ』にはどんな意味があるのですか?
- A
公式サイトによると、タイトルの『ばけばけ』には、小泉八雲の作品のテーマである「化ける」と、妻・セツが語った「このひとは、ホンマに日本のことが好きでたまらんのじゃなぁ。うちの国の神さんや仏さん、ご先祖さんやモノノケまで、嬉しそうに拝みよる。
変わった人じゃけど、まあ、うちの旦那さんじゃけえ」というセリフから、「変わっている」という意味の「化け」という言葉が重ねられているそうです。
まさに、八雲のユニークなキャラクターを象徴するタイトルと言えますね。
まとめ:『ばけばけ』ハーン役ヘブンの左目が白いのはなぜ?失明の原因は?
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- ハーンの左目が白いのは、モデル小泉八雲の失明という史実を再現しているため。
- 八雲は16歳の時、遊具での事故が原因で左目を失明し、生涯コンプレックスを抱えていた。
- 俳優トミー・バストウ自身の強い希望でこの設定が実現し、特注のコンタクトレンズで執念の役作りを行っている。
ドラマ『ばけばけ』で描かれるハーンの白い左目は、単なる外見的な特徴ではありません。
それは、小泉八雲という人物が背負った痛みとコンプレックス、そして、それらを乗り越えて日本の美を見出そうとした彼の人生そのものを象徴しています。
そして、その「目」を真摯に表現しようとする俳優トミー・バストウさんの姿は、国境を越えて人物を理解しようとした八雲の姿とも重なります。
次にドラマを観る際は、ぜひハーンの「目」の演技にも注目してみてください。
彼の視線の先に何が見えているのかを想像することで、物語がより一層、深く心に響くはずです。
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