2025年、日本の政治史に新たな1ページが刻まれるかもしれません。
石破首相の辞任に伴う自民党総裁選で、高市早苗氏が有力候補として名乗りを上げ、「日本初の女性首相」誕生への期待がかつてないほど高まっています。
この記事では、なぜ今、女性宰相の誕生が現実味を帯びているのか、その背景を詳しく分析します。
総裁選に立候補している高市氏の経歴や政策、そして「日本のサッチャー」とも評される彼女の人物像に迫ります。
また、彼女が掲げる「危機管理投資」と「成長投資」といった経済政策や、憲法改正への意欲など、首相になった場合に日本がどう変わるのかを具体的に掘り下げていきます。
他の候補者との違いも比較しながら、日本初の女性リーダーが誕生する可能性とその影響について、多角的に分析します。
日本初の女性首相がいよいよ誕生？
今回の自民党総裁選挙で、高市早苗前経済安全保障担当大臣（64歳）が勝利すれば、日本で初めての女性総理大臣が誕生することになります。
総裁選の立候補
2025年9月22日に告示された総裁選には、高市氏のほか、小林鷹之元経済安全保障相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、小泉進次郎農相の計5名が立候補しました。
選挙日程
投開票は2025年10月4日に行われる予定です。
国内外の注目
海外の主要メディアも「日本初の女性首相か、最年少の男性首相（小泉進次郎氏）か」という構図でこの選挙戦に注目しています。
高市氏は保守的な政治姿勢で知られ、「日本版鉄の女」と評されることもあります。
前回の総裁選では、決選投票で現職の石破首相に敗れはしたものの、1回目の投票ではトップに立つなど、党内に強い支持基盤を持っています。
その他の女性候補の動向
過去には、現職の東京都知事である小池百合子氏も、初の女性首相候補として名前が挙がりました。
しかし、2025年7月末の時点では「都政に専念する」との意向を表明しています。
専門家の中には、今後の政局次第では小池氏が首相候補として浮上する可能性も指摘されています。
現時点では、2025年10月の自民党総裁選挙の結果次第で、高市早苗氏が日本憲政史上、初の女性総理大臣となる可能性が十分にあります。
候補者5人の支持率や勢力図
2025年9月22日に告示された自民党総裁選挙は、10月4日の投開票に向けて、5人の候補者による激しい選挙戦が繰り広げられています。
各種世論調査や報道から、候補者5人の支持率や党内の勢力図が見えてきました。
世論調査に見る支持率
主要な報道機関が実施した世論調査では、高市早苗氏と小泉進次郎氏がトップを争う展開となっています。
産経新聞社・FNN合同世論調査 (9月20日・21日実施)
次期総裁にふさわしい政治家として、高市氏が28.3%でトップ、小泉氏が25%で続いています。
毎日新聞 全国世論調査 (9月20日・21日実施)
高市氏が25%でトップ、小泉氏が21%で2位でした。以下、林芳正氏が10%、茂木敏充氏が3%、小林鷹之氏が2%と続いています。
選挙ドットコム・JX通信社 共同意識調査 (9月13日・14日実施)
この調査では、調査方法によってトップが入れ替わる興味深い結果が出ています。
- インターネット調査: 高市氏が24.5%で1位。若年層の支持が厚いことを示唆しています。
- 電話調査: 小泉氏が26.7%で1位。高齢層からの支持が強い傾向が見られます。
これらの調査は国民全体を対象としたものであり、党員・党友票や国会議員票の動向とは必ずしも一致しませんが、国民の期待度を測る指標となります。
党内勢力図と選挙の構図
総裁選は、国民の人気だけでなく、党内の力学が大きく影響します。現在の勢力図は以下のように分析されています。
主要候補の支持基盤
高市早苗氏
保守層や安倍晋三元首相の支持層に加えて、YouTubeなどを通じたネットでの情報発信で若年層に支持を広げています。
前回の総裁選で党員票トップだった実績を土台に、今回も党員票でのリードが期待されます。
小泉進次郎氏
知名度の高さに加え、自民党支持層や退任する石破茂首相の支持層からの支持を集めています。石破氏の持論である「防災庁新設」を政策に掲げるなど、リベラル系の票の取り込みも狙っています。
林芳正氏
閣僚経験の豊富さを武器に、国会議員への支持を広げており、高市・小泉両氏を追いかける展開です。
激しい票の奪い合い
今回の総裁選は、候補者5人（届け出順に小林鷹之氏、茂木敏充氏、林芳正氏、高市早苗氏、小泉進次郎氏）が立候補しており、1回目の投票で過半数を獲得する候補者が出ず、上位2名による決選投票にもつれ込む可能性が高いと見られています。
そのため、各候補者は退任する石破首相が集めたリベラル系の議員票や党員票（「石破票」）の行方を強く意識しています。
保守色の強い高市氏がこれまで明言してきた靖国神社参拝のトーンを抑えたり、小泉氏が石破氏の政策を取り入れたりする動きは、支持拡大に向けた戦略の一環と見られています。
現在の情勢は、党員に人気のある高市氏と小泉氏が先行し、それを議員票で固める林氏が追うという構図が基本となっています。
決選投票になった場合、3位以下の候補者の票がどちらに流れるかが勝敗を分ける鍵となりそうです。
高市早苗氏が初の女性首相に最も近い存在
高市早苗氏のプロフィール
高市早苗氏は、自民党内で最も保守的な政治家の一人と目されており、政策立案能力と信念の強さで知られています。
今回の総裁選では3度目の挑戦となり、「日本初の女性首相」を目指しています。
プロフィール概要
経歴:
趣味: 音楽鑑賞、バイク、ドラマ鑑賞、プロ野球観戦（熱烈な阪神タイガースファン）
政治家としての歩み
1993年に無所属で初当選し、その後、旧新進党を経て1996年に自民党に入党しました。
安倍晋三元首相とは初当選同期で、思想・信条が近いことから、2021年の総裁選では安倍氏の全面的な支援を受けました。
これまでに、自民党の政策決定責任者である政務調査会長や、総務大臣、経済安全保障担当大臣といった重要閣僚を歴任し、豊富な実務経験を持っています。
特に経済安全保障担当相としては、セキュリティークリアランス制度の創設に尽力しました。
政策通として知られ、大量の資料を読み込む勉強熱心な姿勢は有名です。
一方で、人付き合いが苦手とも評されてきましたが、この1年間は精力的に全国を回り、支持基盤の拡大に努めてきました。
2024年の前回総裁選では、1回目の投票で党員票トップを獲得したものの、決選投票で石破茂首相に敗れました。今回はその雪辱を期す戦いとなります。
高市早苗氏の主要政策 優先順位
高市早苗氏が2025年の自民党総裁選で掲げる主要政策は、「日本列島を、強く豊かに。」というスローガンの下に集約されています。
経済政策
「危機管理投資」と「成長投資」最優先で取り組むべきは、国民の生活に直結する経済政策です。
高市氏は「大胆な『危機管理投資』と『成長投資』」を政策の第一の柱に掲げ、「暮らしの安全・安心の確保」と「強い経済」の実現を目指しています。
特に、物価高対策として、減税や交付金の財源を確保するためには赤字国債の発行もやむを得ないとの認識を示しており、他の候補者よりも積極財政に前向きな姿勢が鮮明です。
この金融緩和や積極財政への期待は、市場で「高市トレード」という言葉を生むほど注目されています。
憲法改正
高市氏の政治信条の核となるのが憲法改正です。
彼女は「自民党の存在意義は憲法改正だ」と明言しており、特に自衛隊の存在を憲法に明記し、その名誉と誇りを守ることを強く訴えています。
これは、安倍晋三元首相の遺志を継ぐという彼女の政治姿勢の表れでもあります。総裁に就任した際には、この議論を情熱をもって進めるとしています。
安全保障と外交
憲法改正と密接に関わるのが安全保障政策です。「防衛力」と「外交力」の強化を掲げ、日本の平和を守ることを公約しています。
党内きっての保守派として知られ、特に中国など近隣諸国の動向には厳しい姿勢で臨むことが予想されます。
皇室典範の改正（男系皇統の維持）
日本の伝統を重視する高市氏にとって、安定的な皇位継承問題も重要な政策課題です。
126代続く「男系」の皇統を維持するため、皇室典範を改正すべきだと主張しています。これは彼女の保守的な理念を象徴する政策の一つです。
外国人政策の厳格化国内の治安や社会のあり方について、外国人政策を「ゼロベースで考え直す」と表明しています。
具体的には、不法滞在者には法律を厳格に適用し、経済的な動機で難民を主張する人々には帰国を求めるなど、厳しい姿勢を示しています。この発言は、一部で波紋を広げています。
高市早苗氏の主要政策と論点を比較
2025年の自民党総裁選で、有力候補の一人とされる高市早苗氏は「日本列島を、強く豊かに。」をスローガンに、明確な国家観に基づいた政策を掲げています。
その内容は、他の候補者と比較して独自性が際立っており、総裁選の大きな論点となっています。
以下に、高市氏の主要政策と、他の候補者（小林鷹之氏、茂木敏充氏、林芳正氏、小泉進次郎氏）との比較をまとめます。
高市早苗氏の主要政策
高市氏の政策は、経済、安全保障、国家観の3つを太い柱としています。
経済政策：積極財政による「強い経済」の実現
高市氏は、物価高から国民生活を守ることを最優先課題とし、大胆な財政出動を伴う「危機管理投資」と「成長投資」を提唱しています。
具体的には、ガソリン税の暫定税率廃止や、所得に応じて手取りが増える「給付付き税額控除」の導入設計を進めるとしています。
財源については、他の候補者が慎重な姿勢を見せる中、赤字国債の発行もやむを得ないと明言しており、積極財政への強い意志が特徴です。
これは市場関係者から「高市トレード」として注目される要因ともなっています。
憲法改正：安倍元首相の遺志を継ぐ
「自民党の存在意義は憲法改正だ」と語るなど、憲法改正への意欲は全候補者の中で最も強いと言えます。
特に、自衛隊の存在を憲法に明記し、その名誉と誇りを守ることを強く訴えています。これは安倍晋三元首相の遺志を継ぐという彼女の政治姿勢の核心部分です。
安全保障と外交：保守派の論客として
党内きっての保守派として知られ、「防衛力」と「外交力」の強化を明確に打ち出しています。
経済安全保障の観点から、海外からの投資を厳格に審査する「対日外国投資委員会」の設置も公約しています。
外国人政策：ゼロベースでの見直し
国内の治安維持の観点から、外国人政策を「ゼロベースで考え直す」と表明。不法滞在者への厳格な法適用や、経済的な動機による難民申請への厳しい対応を主張しており、この点は他の候補者と一線を画す論点となっています。
主要政策に関する候補者比較
今回の総裁選で特に大きな争点となっている「物価高対策（経済政策）」「憲法改正」「外国人政策」について、各候補者の主張を比較します。
各派閥の推薦動向と投票見込み
2025年9月22日に告示された自民党総裁選挙は、5人の候補者による激しい選挙戦が繰り広げられています。各種世論調査では、高市早苗氏と小泉進次郎氏がトップを争う展開です。
産経新聞社・FNN合同世論調査（9月20日・21日実施）では、次期総裁にふさわしい政治家として高市氏が**28.3%でトップ、小泉氏が25%**で続いています。
毎日新聞の全国世論調査（9月20日・21日実施）でも、高市氏が**25%でトップ、小泉氏が21%**で2位でした。
インターネット調査では若年層の支持を集める高市氏が強く、電話調査では高齢層に強い小泉氏が優位に立つなど、支持層の違いも鮮明になっています。
ただし、これらは国民全体の期待度を示すもので、総裁選の行方を左右する党員・党友票や国会議員票の動向とは必ずしも一致しません。
高市早苗氏の主要政策と他の候補者との比較
今回の総裁選では、高市氏の掲げる政策がその独自性から大きな論点となっています。特に「物価高対策」「憲法改正」「外国人政策」が注目されています。
高市氏は物価高対策として、他の候補者が慎重な赤字国債の発行もやむを得ないと明言しており、積極財政への強い意志が際立っています。
注目候補者のプロフィール
小泉進次郎氏：史上最年少首相への期待
高市氏とトップを争う小泉進次郎氏は、1981年4月14日生まれの44歳です。もし首相に就任すれば、伊藤博文と並ぶ史上最年少タイとなります。
環境大臣や現職の農林水産大臣などを歴任し、38歳で戦後最年少の男性閣僚となりました。その若さと知名度が、世代交代を期待する声を集めています。
各派閥の推薦動向と選挙の行方
今回の総裁選は、政治資金問題を受けて自民党の派閥が解散した後に行われる初の本格的な選挙です。しかし、旧派閥の「見えない手」が依然として影響力を持っており、各候補の推薦人名簿にその色が表れています。
高市氏は、旧安倍派や麻生派といった保守系の議員からの推薦を受けています。
林氏は、自身が所属していた旧岸田派の議員が推薦人の中心です。
小泉氏は、特定の派閥に偏らず、無派閥や若手議員を中心に幅広く支持を集めているのが特徴です。
茂木氏は、自らが会長だった旧茂木派の議員が中心となっています。
5人が立候補しているため、1回目の投票で過半数を獲得する候補者が出ず、上位2名による決選投票にもつれ込む公算が大きいと見られています。決選投票は国会議員票のみで争われるため、3位以下の候補を支持した議員票がどちらに流れるかが勝敗を分ける最大の鍵となりそうです。
まとめ
この記事では、2025年の自民党総裁選を舞台に、いよいよ現実味を帯びてきた「日本初の女性首相」誕生の可能性について深掘りしました。有力候補である高市早苗氏が当選すれば、日本の政治史が大きく動くことになります。
本記事で解説した通り、高市氏は積極財政による経済再生を最優先課題とし、物価高対策として赤字国債の発行も辞さない構えです。
また、安倍元首相の遺志を継ぐ形で憲法改正や男系皇統の維持を強く訴えるなど、その保守的な政治姿勢も鮮明です。
彼女が首相となれば、暮らしや経済、そして日本の国際的な立ち位置はどう変わるのか。
総裁選の行方は、単に一人のリーダーを選ぶだけでなく、日本の未来の方向性を決める重要な選択となります。
「日本初の女性首相」という歴史的な節目が訪れるのか、国民全体の注目が集まっています。
総裁選の日程と投開票の手続きの流れ
2025年の自由民主党総裁選挙は、石破茂首相の辞任表明を受けて行われるもので、今後の日本の政治を大きく左右する重要な選挙です。
その日程と、新総裁が決まるまでの手続き・流れは以下の通りです。
総裁選の主な日程
選挙戦は、2025年9月22日の告示から10月4日の投開票まで、約2週間にわたって行われます。
- 9月22日（月）：告示、候補者推薦届出、所見発表演説会
- 9月23日（火）：候補者共同記者会見、党青年局・女性局主催 公開討論会
- 9月24日（水）：日本記者クラブ主催 公開討論会、街頭演説会（東京・秋葉原）
- 9月26日（金）：演説会（愛知県）
- 9月30日（火）：オンライン政策討論会
- 10月2日（木）：演説会（大阪府）
- 10月3日（金）：党員投票の締切
- 10月4日（土）：投開票日。国会議員による投票と、党員票の開票が行われ、新総裁が決定します。
投開票の手続きと新総裁決定までの流れ
今回の総裁選は、党所属の国会議員と、全国の党員・党友が投票に参加する「フルスペック方式」で実施されます。
2種類の票で構成される
総裁選は、以下の2種類の票の合計で争われます。
国会議員票（295票）
自民党に所属する衆参両院の国会議員295人が、1人1票を投じます。投開票日に会場で直接投票が行われます。
党員票（295票）
全国の党員・党友による投票です。こちらも国会議員票と同数の295票が割り当てられています。
- 投票方法：有権者である党員・党友には投票用紙が郵送され、支持する候補者1名の名前を書いて返送します。
- 票の配分：全国から集まった票を候補者ごとに集計し、その得票数に応じて295票を「ドント方式」という比例配分で各候補に割り振ります。
新総裁の決定方法
1回目の投票で、国会議員票と党員票を合わせた合計590票の過半数（296票以上）を獲得した候補者が新総裁に選出されます。
しかし、今回は5人が立候補しているため、1回目の投票で過半数を獲得する候補者が出ない可能性が高いと見られています。その場合は、上位2人による決選投票が行われます。
決選投票
- 投票者：決選投票は、基本的に国会議員295人と、47都道府県連の代表が各1票を投じる形で行われます。党員全体の意向が反映された1回目の投票とは異なり、国会議員の意向がより強く反映される仕組みです。
- 勝敗：得票数の多い候補者が、新総裁に選出されます。自民党の歴史では、決選投票で1回目の投票結果が逆転した例も複数あります。
まとめ：日本初の女性首相がいよいよ誕生するのか？
この記事では、2025年の自民党総裁選を舞台に、いよいよ現実味を帯びてきた「日本初の女性首相」誕生の可能性について深掘りしました。
有力候補である高市早苗氏が当選すれば、日本の政治史が大きく動くことになります。
本記事で解説した通り、高市氏は積極財政による経済再生を最優先課題とし、物価高対策として赤字国債の発行も辞さない構えです。
また、安倍元首相の遺志を継ぐ形で憲法改正や男系皇統の維持を強く訴えるなど、その保守的な政治姿勢も鮮明です。
彼女が首相となれば、暮らしや経済、そして日本の国際的な立ち位置はどう変わるのか。総裁選の行方は、単に一人のリーダーを選ぶだけでなく、日本の未来の方向性を決める重要な選択となります。
「日本初の女性首相」という歴史的な節目が訪れるのか、国民全体の注目が集まっています。
