2025年の参議院選挙が近づく中、現金給付や消費税減税といった家計に直結する政策が大きな争点になっています。
「物価高で生活が苦しい」「消費税は下がるのか」など、不安や疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。
各政党は有権者の暮らしを守るため、多様な現金給付策や消費税の見直し案を提示していますが、その内容や実現可能性は政党ごとに大きく異なります。
この記事では、2025年参議院選の主要な争点である現金給付と消費税減税について、最新の社会情勢や各党の政策方針をもとに、分かりやすくまとめました。
誰がどんな政策を訴えているのか、それぞれの主張を徹底比較し、あなたの生活や関心に役立つ情報を解説します。
選挙の投票先を悩んでいる方や、政策の全体像を押さえたい方はぜひご参考ください。
参議院選2025の大きな争点!「現金給付」と「消費税減税」

なぜ、「現金給付」と「消費税減税」がこれほど注目されているの?
その一番の理由は、やはり「物価の高騰」です。食料品やエネルギー価格の上昇が、私たちの家計に大きな負担となっています。
このような時に、国が国民の生活を直接サポートする方法として、大きく分けて二つの考え方があります。
「現金給付」:困っている人や特定の条件の人に、国が直接現金を配る方法です。
「消費税減税」:私たちが買い物をするたびに支払っている消費税の税率を下げる方法です。
どちらも私たちの負担を軽くするという目的は同じですが、その仕組みや効果の現れ方、そして国の財政に与える影響が大きく異なります。
だからこそ、どの政党がどちらの政策を、どのように進めようとしているのかをよく知ることが、選挙で投票する上でとても大切になります。
「現金給付」ってどんな制度?

「現金給付」とは、その名の通り、国から私たちに直接現金が配られる政策のことです。例えば、「国民一人ひとりに一律10万円を給付する」といった形や、「所得の低い方々や、子育て中のご家庭に対象を絞って給付する」といった形があります。
現金給付の良い点(メリット)
即効性があること:給付が決まれば、比較的すぐに私たちの手元にお金が届きます。「今すぐ生活が苦しい」という方にとっては、とても直接的な助けになります。
対象を絞れること:本当に支援が必要な低所得者層や子育て世帯などに限定して、手厚く支援することができます。
現金給付で心配な点(デメリット)
財源の問題:給付するためのお金は、国の予算から出されます。多くの場合、国の借金である「国債」を発行してまかなうため、将来の世代に負担を残してしまう可能性があります。
不公平感の問題:「一律給付」の場合、それほど困っていない人にも配られることへの批判が出たり、「対象を絞った給付」の場合、給付を受けられない人から不満の声が上がったりすることがあります。
一時的な効果:給付は一度きり、あるいは期間限定の場合が多く、物価高が長く続いた場合、根本的な解決にはなりにくいという側面もあります。
現金給付に関する各党の考え方は?
与党(自民党・公明党)
自民党
主な方針
自民党は、2024年に実施した定額減税(所得税・住民税の減税)やガソリン・電気などの補助金施策の効果を慎重に評価した上で、新たな「現金給付」にはやや慎重な姿勢を示しています。
現金給付案の最新動向
政府内では、全ての国民を対象とした一律給付も検討されましたが、最終的には「住民税非課税世帯」や「子育て世帯」など、より困窮度の高い層への絞り込み案が軸となっています。
具体的な金額例
現在主要な案は、全国民に1人あたり2万円、さらに「住民税非課税世帯の大人」や「18歳以下の子ども」には追加で2万円(合計4万円)を上乗せする内容です。ただし、これは正式決定ではなく、補正予算や今後の状況で見直される可能性があります。
財源と実現可能性
財源には国の税収増加分や赤字国債発行を想定し、予算規模は3.5兆円~6兆円程度と見積もられています。
公明党
主な方針
公明党は、国民生活の支援を最優先課題として、減税と現金給付の併用を強く打ち出しています。
重視する層・スピード感
賃上げの波が届きにくい「低所得者層」や「子育て世帯」への迅速な支援を重視。「一律給付」にはなお躊躇もありますが、現実路線としては大胆な規模の給付も排除しない構えです。
具体的な主張・数字
10万円規模の現金給付を求める声も党内で強く、実際に数万円の幅で自民党と調整中です。最近の発言では、数万円規模が妥当であり、「国民が危機を乗り越えられる水準」を意識していると説明されています。
野党各党
立憲民主党
主な政策
立憲民主党は、「物価高対策」の中心に消費税減税(特に食品などへの0%適用)を据えています。消費税減税の実現までの『つなぎ』として、現金給付も辞さない構えを公約に掲げています。
給付の内容
「困窮世帯」など必要性が高い層を念頭に、国民一人当たり数万円の給付や所得制限付きの家計支援などを選択肢としています。具体的な給付額・範囲は今後の国会論戦や財源検討で調整中です。
国民民主党
主な政策
「給料が上がる経済」を最重要課題としつつも、直近の家計支援策としては、大胆な規模の現金給付を提案しています。
具体的な数字
国民一人一律10万円の現金給付を緊急経済対策として公約に盛り込んでいます。物価高への不安や中間層の生活防衛を重視する立場です。
れいわ新選組
非常に積極的な給付案
「デフレ脱却」を掲げ、徹底した現金給付を主張。「季節ごと(一年4回)に国民1人10万円を給付」など、継続的かつ大規模な金額による景気下支え策を打ち出しています。
目的・財源
物価高や将来不安を真正面から和らげる狙いで、大規模な国債発行も辞さないとする積極財政論を重ねています。
参政党
基本的な方針
参政党は「一時的な現金給付は、場当たり的で抜本策にはならない」という立場が中心です。
長期的には、現金給付よりも「消費税段階的廃止」「教育や子育て世代への経済的支援」「社会保険料の低減」など、根本から家計負担を減らす政策を重視します。
現金給付案
ただし、物価高・消費不況への直近対策として、減税実現までの「つなぎ策」として10万円給付を提案しているほか、子育て世帯・教育関連には予算を積極投入して直接給付の拡充も視野に入れています。
現金給付の財源には「教育国債」など独自財源を想定しています。
日本共産党
基本的な方針
共産党は、現金給付のみに依存した対策を「一時しのぎ」と批判し、根本的解決として「消費税の5%減税」や将来的な廃止を強く掲げています。
現金給付案
ただし、当面の生活支援として「すべての人に(都レベルなら一人1万円など)生活支援金の給付」や、「困難な人々への直接給付」を公約や都議選政策に盛り込んでいます。
財源については「大企業や富裕層への課税強化・優遇税制の見直し」で賄うと明言しています。
現金給付の位置づけ
長期的な所得・生活安定には給付と並行して、恒久的な税負担軽減が不可欠という主張です。
「消費税減税」ってどんな制度?
「消費税減税」とは、現在10%(食料品など一部は8%)となっている消費税の税率を引き下げる政策です。例えば、「一時的に5%に下げる」「食料品だけでも0%にする」といった案が議論されています。
消費税減税の良い点(メリット)
幅広い人が恩恵を受けられること
買い物をすれば、所得に関わらず全ての人が減税の恩恵を受けられます。日々の買い物のたびに負担が軽くなることを実感できます。
消費を促す効果
モノの値段が実質的に下がるため、人々の「買いたい」という気持ちを刺激し、経済全体の活性化につながる可能性があります。
物価上昇を抑える効果
税金分が安くなるため、物価高そのものを直接的に和らげる効果が期待できます。
消費税減税で心配な点(デメリット)
国の財源が大きく減ること
消費税は、年金や医療、介護といった社会保障制度を支えるための、国の非常に大切な収入源です。消費税を減税すると、この収入が大きく減ってしまい、将来的に社会保障サービスの水準が低下してしまうのではないかという懸念があります。
一度下げると元に戻しにくい
一度下げた税金を、後から再び上げることは、国民の理解を得るのが非常に難しく、政治的に大きな困難が伴います。
消費税減税に関する各党の考え方は?
消費税のあり方については、与党と野党で考え方が大きく分かれています。
与党(自民党・公明党など)
自民党は、消費税は社会保障を支えるための重要な財源であるという立場から、減税には極めて慎重、あるいは否定的な考えを示しています。「一度下げたら、上げる時に何百倍ものエネルギーが必要になる」として、安定的な財源を維持することを重視しています。
公明党も、社会保障財源としての重要性は認識しつつも、物価高騰対策として、食料品などに適用されている軽減税率のさらなる引き下げなどについて、検討を進める姿勢を見せています。
野党
多くの野党が、物価高対策の切り札として消費税減税を掲げています。
立憲民主党は、時限的(期間限定)に消費税率を5%に引き下げることや、食料品の消費税をゼロにすることを提案しています。
日本維新の会は、教育無償化などの財源を確保しつつ、消費税減税も検討するとしています。過去には食料品の税率ゼロなどを提案したこともあります。
国民民主党は、賃金が物価上昇を上回るまで、時限的に消費税を5%に引き下げることを主張しています。
日本共産党は、消費税は不公平な税制だとして、緊急に5%への減税を求め、将来的には廃止を目指す立場です。財源は、大企業や富裕層への優遇税制を見直すことで確保するとしています。
れいわ新選組は、消費税の「廃止」を最も強く訴えている政党です。消費税をやめることが最大の景気対策になると主張しています。
社民党も、3年間の消費税ゼロなど、時限的な減税を訴えています。
私たちはどう考え、一票を投じればいいのでしょうか?
ここまで見てきたように、「現金給付」と「消費税減税」には、それぞれ良い面と、考えなければならない課題があります。
「今すぐ助けてほしい」という即効性を重視するなら「現金給付」が魅力的に見えるかもしれません。
「日々の買い物の負担を継続的に軽くしてほしい」という公平さや持続性を重視するなら「消費税減税」が心に響くかもしれません。
大切なのは、それぞれの政策が「どのような財源でまかなわれるのか」という視点を持つことです。「現金給付」の財源は未来の世代からの借金ではないか?
「消費税減税」によって、自分たちが受ける年金や医療サービスが削られてしまわないか?こうした長期的な視点も持って、各党の主張を比較検討することが重要です。
2025年の参議院選挙は、これからの日本の経済、そして私たちの生活のあり方を決める、非常に重要な選挙です。
各党が発表する公約をよく読み、比べて、「自分の暮らしを、そして日本の未来を、どの政党に託したいか」を真剣に考え、あなたの大切な一票を投じてみてください。
まとめ:参議院選2025争点|現金給付と消費税減税はどうなる?各党まとめ
この記事では、2025年参議院選挙の主要な争点である「現金給付」と「消費税減税」について、各政党の政策方針や社会的背景に基づき、分かりやすく整理・比較しました。
物価の高騰や家計への負担増が続く中、現金給付や税制の見直しは多くの方にとって関心の高いテーマです。
各党が掲げる政策は、支援の対象や規模、財源や持続可能性などに違いが見られ、具体的な実現性や生活への影響は慎重な見極めが求められます。
今後も議論や最新情報が更新されていくため、選挙前にご自身の価値観や生活状況と照らし合わせて政策を比較・検討することが重要です。
投票行動の参考として、ぜひ最新の動向に注目しながら冷静な判断を行ってください。