2025年に入り、いたるところで発生している山火事。
他人事だと思っていた山火事が身近に感じられるようになってきました。
その原因や責任の所在、そして火災保険の適用条件について気になりますよね。
山火事は、地球温暖化による極端な乾燥や強風が火災を拡大させる要因となります。
自然災害としての側面が強い一方で、人為的な過失が絡む場合には民事・刑事責任が問われる可能性もあります。
また、火災保険が適用されるかどうかは契約内容によるため、保険の見直しが重要です。
この記事では、
・【2025】山火事
・山火事の原因は?
・山火事の責任は?
・山火事で保険は?
についてまとめました!
【2025】山火事が多い

まず、2025年1月にアメリカ・カリフォルニア州で大規模な山火事が発生しました。
たくさんの日本の有名人も被害に遭われていました。
この山火事は、ロサンゼルス大都市圏を中心に発生し、少なくとも28人が死亡、16,188の建物が破壊されました。
アメリカ大変だ~なんて思っていると、日本でも次々と大規模な山火事が発生しています。
2025年に入り、3月までに日本国内で発生した山火事は以下の通りです。
広島県江田島市 (2025年1月17日)
- 海上自衛隊の爆破訓練中に山火事が発生
- 火災は8時間以上続き、勢いを増した
- 特別養護老人ホームの入居者など約150人が避難
- 乾燥注意報が発表されていた地域での出火
静岡県伊豆市 (2025年2月26日)
- 伊東市宇佐美で山火事が発生し、住宅3棟に延焼
- 伊豆市日向のゴルフ場そばの山林でも火災発生
- 静岡市清水区でも山林火災があり、60代女性が重傷
岩手県大船渡市 (2025年3月3日)
- 2月に発生した大規模山火事の鎮火作業が継続
- 3月23日に約400人態勢で大規模調査を実施
- 綾里地区で2件の白煙を発見し、消火活動を行った
岡山県岡山市南区 (2025年3月23日)
- 金甲山で火災が発生し、玉野市にまたがる範囲に拡大
- 約250ヘクタールを焼失し、住宅など6棟に延焼
- 403世帯893人に避難指示を発令
- 自衛隊ヘリコプターも消火活動に参加
愛媛県今治市 (2025年3月23日)
- 長沢の山林で火災が発生し、3日目も延焼継続
- 被害面積は約214ヘクタールに拡大
- 1671世帯3220人に避難指示を発令
- JR伊予西条から伊予北条駅間の運転を見合わせ
- 3月25日時点で建物への延焼も確認
山火事の原因は?

そもそも山火事の原因はなんなのでしょうか?
大きく分けると、自然発火と人為的な原因の2つあるんです。
自然発火
まず自然発火。
これは意外と単純なメカニズムなんです。
その主な原因は、ずばり乾燥!
乾燥した気候で、落ち葉の水分がなくなり、枯れ葉同士が擦れて火が起きてしまうんです。
それが周りの木々に燃え移って、あっという間に大規模な火災に。
最近は気候変動の影響で、山火事のリスクがさらに高まっているんです。
温暖化で気温が上がると、土壌の水分が蒸発して、地面が乾燥しやすくなる。
そうすると、火事が起きやすくなって、被害も大きくなってしまいます。
なので、特に乾燥してる時期は要注意!
3月から5月は「山火事予防運動」の期間なんです。
人為的な原因
でも、実は山火事の多くは人間が原因となっていることも!
焚き火やタバコの不始末、農業での火入れ、さらには放火まで。
ちょっとした不注意が大惨事を引き起こすこともあるんです。
山火事の責任はどうなる?

山火事は自然災害としての側面もありますが、人為的な原因で発生することも多く、その場合の責任はどうなるのでしょうか?
自然発生
個人や組織に責任を問うことは難しい
自然発生した山火事の場合、基本的に個人や組織に責任を問うことは難しいです。
自然現象による火災は、人為的な過失や故意がないため、法的責任を追及する対象がありません。
ただし、責任を追及できる可能性もあります。
それが、
・予防措置の不備
・初期対応の遅れ
・二次被害
【予防措置の不備】
行政機関や土地所有者が適切な予防措置を講じていなかった場合、一定の責任を問われる可能性があります。
【初期対応の遅れ】
消防や行政の初期対応が不適切だった場合、その対応に関して責任を問われることがあります。
【二次被害】
自然発生した山火事が他の要因と重なって被害が拡大した場合、その要因に関与した個人や組織に責任が及ぶ可能性があります。
自然発生の山火事に対しては、個人の責任追及よりも、社会全体での防災対策や迅速な対応体制の整備が重要となります。
人為的原因
刑事責任と民事責任
万が一にも、山火事を起こしてしまった場合、刑事責任と民事責任の両方を問われる可能性があります。
具体的にどんな責任があるのか、詳しく見ていきましょう。
まず刑事責任については、過失で山火事を起こしても森林法違反に問われる可能性があります。
この場合、最高で50万円以下の罰金刑が科されることがあるんです。
一方、民事責任はちょっと複雑です。
通常なら不法行為として損害賠償責任を負うところですが、山火事の場合は「失火責任法」という特別な法律が適用されます。
この法律によると、「重大な過失」がある場合にのみ賠償責任が生じるんです。
じゃあ、「重大な過失」って何?
というと、最高裁の判例では
「わずかの注意さえすれば、たやすく違法有害な結果を予見することができた場合であるのに、漫然これを見すごしたような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態」
と定義されています。
【重大な過失と判断された過去の例】
- 天ぷらを揚げたまま台所を離れた
- 寝たばこをした
【重大な過失と認められなかった例】
- 仏壇のロウソクが倒れて失火した
- コンセントにたまったホコリに引火した(トラッキング現象)
つまり、ちょっとした不注意程度では賠償責任を負わなくて済む可能性が高いってことですね。
ただし、注意しないといけないのは、たとえ軽い過失でも刑事責任は問われる可能性があるということ。
だから、山や森での火の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
法的責任の種類
- 刑事責任
- 失火罪:軽い不注意で火災を起こした場合に適用され、50万円以下の罰金が科される可能性があります。
- 重過失失火罪:著しい不注意(重大な過失)で火災を引き起こした場合に成立し、3年以下の禁錮または150万円以下の罰金が科されます。
- 民事責任
- 損害賠償責任:他人の財産に被害を与えた場合、重大な過失があると認定されれば賠償責任を負います。ただし、軽い過失の場合は「失火責任法」により賠償責任を免れることがあります。
山火事で火災保険は降りる?
日本の場合、基本的には大丈夫

山火事で火災保険は降りるの?って気になりますよね。
日本の場合、基本的には大丈夫なんです。
でも、いくつか知っておくべきポイントがあります。
基本的に、山火事で自宅が焼けちゃっても、火災保険は適用されるんです。
ホッとしますよね。
でも、ここで注意!保険の種類によっては補償範囲が違うこともあるので、自分の契約内容をよく確認しておくのが大事です。
車が燃えちゃった場合はどうなるの?って思いますよね。
実は、これは火災保険じゃなくて、自動車保険の「車両保険」でカバーされるんです。
だから、車を持ってる人は車両保険にも入っておくのがおすすめです。
山火事で避難しちゃって、保険証を持ち出せなかった…なんて心配する必要もないんです。
2025年の岩手県の山火事の時みたいに、厚生労働省が特別措置を取ってくれるので、保険証がなくても保険診療が受けられるんです。
これは本当に助かりますよね。
でも、ちょっと気になるのが土砂災害。
山火事が原因で起きた土砂災害なら、たいてい火災保険でカバーされます。
でも、地震が原因の場合は地震保険が必要になります。
まとめ:【2025】山火事の原因は?責任はどうなる?火災保険は?
山火事は自然現象だけでなく、人為的な要因が大きく関わっています。
その原因の多くは、たき火や火入れなどの不注意によるものです。
責任については、重大な過失がある場合に刑事・民事責任が問われる可能性があります。
火災保険に関しては、日本では基本的に山火事による被害も補償対象となります。
ただし、契約内容をよく確認し、必要な補償を受けられるようにすることが重要です。
車両の被害は自動車保険でカバーされる点にも注意が必要です。
気候変動の影響で山火事のリスクが高まる中、保険制度も変化を迫られています。
個人レベルでの防火意識向上はもちろん、社会全体で山火事対策を考えていく必要があります。
適切な保険加入と日頃の備えを通じて、山火事のリスクに備えることが大切です。